ある夏の日、今までは散歩が大好きだった犬が散歩に行きたがらないといった経験はありませんか?そんな時は、どうしてなのか、誰に相談したらいいのか、不安で心配になってしまいます。
犬は言葉が話せないので、その理由をお父さん、お母さんである飼い主に相談することが出来ません。こちらもどうしていいのかわかりません。そんな時の対処法をご紹介したいと思います。
犬が散歩を嫌がるのは夏の暑さのせいかもしれない
犬が散歩に行きたがらない理由にはいくつか考えられます。私達人間にはわからないことですが、思いもかけない事が犬にとっては、想像以上に精神的・肉体的な苦痛を引き起こす場合があります。
特にそれが夏の間であれば、暑さが原因となる事も多いようですが、一概に言い切ることはできません。いくつかその原因を説明したいと思います。
夏の暑さが原因
炎天下の真夏のアルファルトは、時間帯等によって40度~60度くらいの暑さになるそうです。芝生や土の道でも40度、50度くらいの暑さになり、その道を直接裸足で歩くことは人間でも苦痛を伴います。
特に正午を過ぎて、14時~15時の間というのは道路の温度の非常に高くなっているので、その時間帯に散歩に行くことは犬の健康上にも非常に危険の恐れがあるということです。中には過度の熱中症にかかってしまい、死に至る場合もあるそうです。
健康上の理由
犬の年齢や健康上の理由で、外に行きたがらない場合も考えられます。老齢の犬の場合は人間もそうであるように、足の調子が悪かったり、関節に痛みが出ている可能性もあります。
若い犬でも足の裏を怪我していたり、病気になっていることも考えられます。もしかしたら、たまたま、その日の体調が悪かっただけという場合もあります。
他の犬との関係、性格上の理由
性格上の理由で、外に行きたがらなくなったとも考えられます。人間にも街中に出かけるのが好きな人と、家の中にこもって本を読むのが好きな人がいるように、犬の性格によっては子供の時は散歩が好きでも、大人になってから外よりも家の中を好む犬もいます。
他の犬にやきもちを妬いて行きたがらないこともあります。また、甘えん坊の犬は抱き上げて欲しくてイヤイヤをしたり、ボール投げなどの他の遊びを要求している可能性もあります。また、他の犬に吠えられたり、威嚇されたことが原因であったとも聞きます。
人間や車や騒音等
道中での車の頻度や騒音、散歩のコースはどうでしょうか?比較的車や人の少ない道を通っているでしょうか?犬は人間や車と比べると大きい犬で5分の1、小さい犬だと20分の1くらいの大きさしかありません。
自分の何倍もある人間に囲まれてしまったり、車やバイクがすぐそばを通って轢き殺されるかと思ったり、クラクションの音に心臓が止まるかと思ったり、工事中の騒音が雷の音に聞こえて怖くなって、外に行きたがらなくなる犬もいます。
あなた自身が怒らせるようなことをした
最近、ペット美容室や動物病院等に犬を連れていきませんでしたか?犬によってはシャンプーをされたり、注射を打たれるのが拷問に等しい場合もあります。そのことがトラウマとなって、外に出ればまた連れていかれると思っているかもしれません。
しばらく留守にしていたり、忙しくて散歩を誰かに頼んだり、あまり構ってあげてなかったということはありませんか?それか、最近犬がいうことを聞かなくてちょっときつく叱ったりしなかったでしょうか?何かの理由であなたに対して怒っているのかもしれません。
犬が散歩を嫌がる理由がわかれば、解決策が見つかる
理由がわかれば、どうすればいいのか考えることができます。私の実家では、長年ヨークシャテリアを飼っていました。
ヨークシャテリアは気が強いので、他の犬がどんなに大きくても怖がることはありませんでしたが、老齢になった時、散歩を嫌がるようになり、どうしてかと悩んでいたところ、ふとしたことから、視力が落ちてほとんど目が見えていないことに気が付きました。
きっと、よく見えない目で外に行くのが怖かったのでしょう。その時は事故などの大事に至る前に、早く気づいてよかったと家族一同で反省しました。それ以降は部屋の中だけや庭先だけで、そばについてあげて過ごさせるようにしました。
自分のよく知っている場所であれば、犬も怖がらずに安心することができるようです。何を理由に、散歩に行くのを嫌がるのかがわかれば、その解決策もそれぞれの愛犬に応じて考えることが可能になります。でも、言葉を話せない犬からどうやってそれを知ることができるのでしょうか?
夏の暑さは要注意
犬が散歩を嫌がる理由を探すために1番最初にするべきことは、まずは健康上に問題がないかどうかということです。こちらから見つけてあげないと、知らないうちに取り返しのつかない状態にもなりかねません。
先ほど挙げた理由として、愛犬が病院に連れていかれたことが原因であなたに怒っているのだとしても、無理やりにでも1度連れていくべきです。もし、そうすることで犬があなたに対しての怒りを倍増させたとしても、それは後からいくらでも修復できますが、健康上の問題は最悪の場合は命に関わり、これは取り返しのつかない事態ともなり得ます。
とくに、夏の間の熱中症は、熱壊死(ねつえし)という全身の細胞を破壊してしまう恐ろしい病気を引き起こす恐れがあります。また、健康上の原因かどうかがわかれば、他に理由を探すことができます。
暑い夏は犬の散歩は夜に
健康上の理由でないことがわかれば、次に暑さが原因だったのかどうかを調べてみましょう。夕方以降や夜、涼しくなってから外に出てみましょう。曇りの日や雨の日にも試してみましょう。
それで嫌がらなければ、暑さが原因だったことになりますので、夏の間には夜や曇りの日に散歩に行くことで解決します。夏の暑さが原因でなければ、次は最近、散歩に行った時はどうだったのかを思い返してみましょう。
他の犬に話しかけたり、抱っこしてあげたりしなかったでしょうか?また、大小問わず、他の犬から吠えられたり、跳びかかられたりしなかったでしょうか?
あの時、車が大きなクラクションを鳴らしたなとか、自転車が曲がり角から突っ込んできたなとか、思い返してみると何か当てはまるのではないでしょうか?
愛犬とのコミュニケーションが解決の糸口
シャンプーが嫌だったのかな、注射が痛かったのかな、と色々想像しながら、散歩の時間帯やコースを変えてみることで、愛犬がまた散歩を好むようになった話をよく聞きます。最も効果的な処方箋とは、飼い主さんと愛犬とコミュニケーション以外にはないと、私が相談した獣医さんはアドバイスをしてくれました。
遊び方を変えてあげたり、新しいおもちゃを買ってあげたり、新しいドックフードをあげてみたり、時間をかけながら思いつく方法を試しみることが大切だと思います。愛犬との信頼関係や愛情をより深めることで、犬を外に出ても大丈夫だよと安心させてあげましょう。
散歩を嫌がる犬もまた、散歩に行ける
仮にあなたに怒っている場合でも、精一杯の愛情を示すことで犬もそのうち機嫌を直してくれるでしょうし、時間がたつうちに、途中で怖い目に合ったことも、忘れてしまうかもしれません。
私の家の近所には犬のくせに犬が嫌いで人間だけが好きな犬もいます。その犬は他の犬に会わない深夜の散歩が好きです。また、社交的なのか、単独が好きなのか、にぎやかなのが好きなのか分析してみることも解決の手掛かりとなるでしょう。
愛犬の気持ちを尊重
しばらくは、嫌がるのを無理やり散歩に連れていくのは控えた方がいいでしょう。愛犬は大切な友達でもあり、家族の一員でもあります。犬には犬のそれぞれの事情があるということで、その気持ちは尊重してあげたいものです。
それぞれの愛犬の性格や趣向に合わせた無理のない方法で、幸せで楽しい毎日を取り戻せるようにしてあげたいですよね。
こちらの記事もどうぞ